アムハラ語で使う文字は、もともと古典エチオピア語であるゲエズ語を表記するための文字でした。ゲエズ語が死語になった後も、エチオピアの諸言語を書くために改良を重ねながら使用され続け、現在に至ります。アムハラ語のほかに、北部のチグリーニャ語やチグレ語にも用いられています。さらに最近では少数民族の言語を、この文字を使って表記する試みも一部ではされています。
文字の呼称については、さまざまな議論があります。ゲエズ文字、アムハラ文字、エチオピア文字などという呼称が考えられますが、主にエチオピアで用いられていることを考慮して、ここでは「エチオピア文字」と呼ぶことにします。