ここでは「あなた」「私」などの人称代名詞と「AはBです」という言い方を学びましょう。

人称代名詞

アムハラ語には以下の表のような人称代名詞があります。

表1:人称代名詞

3人称とは、自分でも話相手でもない人です。単数形には男女の区別があります。男性なら「彼」、女性なら「彼女」、複数形には男女の区別がありません。「彼ら、彼女ら」ということです。
2人称とは、相手のことです。やはり単数形には男女の区別があります。日本語では訳しわけることが出来ませんね。
1人称とは、自分のことです。男女の区別はありません。
さて、アムハラ語には尊敬形という人称代名詞があります。自分より目上の人に敬意を表したい時、初対面の相手と距離を置きたい時などに使います。3人称なら「あの方」、2人称なら「あなた様」くらいの意味になるでしょう。当然1人称の尊敬形はありません。

日本語には厳密な意味での「人称代名詞」はないので、決まった訳を与えることが難しいのですが、文脈や状況によって理解しましょう。

さて、実はこの人称代名詞。毎回必ず使用しなければならない、ということとはないのです。これは第1課で述べた通り「主語の人称・性・数によって動詞が活用する」ため、動詞で主語がおおよそ検討が付くからです。次のセクションで具体例を示します。

コピュラ動詞

コピュラ動詞とは言語学用語なのですが、英語で言うところのbe動詞で、主語の状態や性質を説明するための動詞です。記念すべき一つ目の動詞です。第1課で述べた通り、動詞は主語の人称・性・数によって活用します。その表を以下に挙げます。

表2:コピュラ動詞

以上の活用は、人称代名詞とセットで暗唱してください。単数形、複数形、尊敬形を3つに分けてリズミカルに声に出すと覚えやすいですよ。

コピュラ動詞の用法

コピュラ動詞は、主語の状態や性質などを表すための動詞で、英語のto be, フランス語のêtreなどに相当すると考えてよいでしょう。この状態や性質を表す要素のことを、ここでは便宜的に「補語」と呼ぶことにします。第1課で学んだ通り、動詞は最後に来ますので、主語と動詞の間に、補語を持ってきます。

(1) እሱ፟ ተማሪ ነው።

ተማሪは「学生、生徒」という意味ですので(1)は「彼は学生です。」ということになります。「コピュラ動詞は日本語の『です』に相当する」という言い方は大変おおざっぱで不正確ですが、まぁ何となくそのようなイメージを持っていただいても差し当たり大きな問題はないように思います。言語学者の方からは批判がでると思いますが・・・。

(2) ተማሪ ነኝ፟ ።

(2)の文は主語となる代名詞がありません。先述のとおり、動詞の形を見れば人称などが分かる(この場合1人称単数)ため、文脈により明らかな場合は、主語を言う必要はありません。強調や対比を表す場合に主語を付けることが多い印象です。この辺りは実際の会話に触れて慣れていく外ないでしょう。

練習

単語

【問題】重子音に気を付けて音読し、日本語に訳しましょう

(1) እሳቸው አስተማሪ ናቸው።

(2) አንተ ቻይናዊ ነህ? አይ፣ ጃፓናዊ ነኝ።

(3) እርስዎ ሐኪም ነዎት? አይ፣ እኔ ነርስ ነኝ።

(4) ይሄ ምንድን ነው? ይሄ እንጀራ ነው። ምግብ ነው።

(5) አንቺ ተማሪ ነሽ? አይ፣ እኔ አስተማሪ ነኝ። ይቅርታ፣ እኔ አዲስ ነኝ።

解答例

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